【新唐人2013年3月13日付ニュース】北朝鮮が一方的に“朝鮮戦争休戦協定”を白紙化すると宣言しました。北朝鮮のこの行動は米韓合同軍事演習への反撃だとの見方もあれば、北朝鮮は開戦警報を鳴らしたいのだとの見方もあります。では、北朝鮮のこの行動によって、朝鮮半島で再び戦火が交わることになるのでしょうか。それとも別の目的があるのでしょうか。
3月5日、朝鮮中央通信が北朝鮮人民軍最高司令部報道官の話として、米韓の軍事演習は朝鮮半島休戦協定に対する壊滅的な行動であると非難したうえで、3月11日から休戦協定を完全白紙化すると伝えました。また、軍事境界線“板門店”(はんもんてん)代表部の活動も中止し、板門店の南北直通電話と国連軍との電話回線を遮断すると宣言しました。
1953年7月27日、北朝鮮人民軍、中国人民志願軍および国連軍は、板門店で朝鮮戦争休戦協定を調印。協定の主な内容は、1.軍事境界線および非武装地帯を設ける。2.双方による敵対行為を停止し、非武装地帯から撤退する。3.双方の捕虜を送還する。
昨年年末、北朝鮮が人工衛星の打ち上げと称して長距離弾道ミサイル発射後、国連安全保障理事会は北朝鮮制裁決議案を採択。その後、北朝鮮は3回目の核実験を強行しました。これに対し、米韓は引き続き北朝鮮制裁を画策すると同時に、3月1日からは大規模軍事演習を行い、韓国が20万人、アメリカが1万人の兵力を派遣しています。今回の演習は4月末まで続くそうです。
では、北朝鮮が一方的に休戦協定を白紙化したことによって、朝鮮半島は再び戦火に見舞われるのでしょうか。
時事評論家・伍凡(ごぼん)さんは、北朝鮮の休戦協定白紙化は一種の脅迫に過ぎず、この種の脅迫は初めてではないと示します。
時事評論家 伍凡さん
「北朝鮮は戦争には耐えられません。戦車や軍人を多く所有していても、兵器や指揮システム、戦闘力および食糧、経済など全てだめで、後方のサポートがありません。身を置いている地帯も小さいので、相手が反撃すると威力をほとんど失います」
では、北朝鮮がこの種のシグナルを発する目的な何なのでしょうか。
伍凡さんは、北朝鮮は軍隊、社会と政党をコントロールするために茶番劇を演じていて、世界を威嚇する目的は、利益を得るためだと切り捨てます。
時事評論家 伍凡さん
「北朝鮮はこの種のもので、カネをよこさないとゆすりを行い、核実験で売買を行っています。政治上、軍事上だけでなく、それを商売に拡大させ、ゆすりを行っています。カネをよこしなさい、食糧と石油をよこしなさい、このような無頼になっています」
また、金正恩の休戦協定白紙化は、中国共産党にも及ぶことだと指摘します。
時事評論家 伍凡さん
「休戦協定は中共にも及んでおり、中共は協定を白紙化できますか、中共も参戦者の一人で署名したからです。だから金正恩が白紙化すると言って、白紙化できるものではありません。北朝鮮がもし本当に行動に出て、本当に白紙化したら、中国の立場を無視し、中国の面子を考慮しないとなると、北朝鮮は中共とも対立することになります。北はここまではできないと思います。その力がないのです」
今年2月、北朝鮮は国際社会の反対を無視し、3回目の核実験を強行。一方、北朝鮮の核技術、設備、核原料は一体どこから来たのかという疑問の声も上がっています。中国核工業部からの消息筋によると、北朝鮮の核技術者はずっと中国でトレーニングを受けており、最先端技術は全て中国が提供しているそうです。北朝鮮の核実験の主な原料や技術および先端技術者をリードしているのは、実は中国であり、さらには、一部実験は中国の核施設で秘密裏に行われているとのことです。
“北朝鮮の核実験における中国共産党の真意”と題した文章で作者は、“北朝鮮が3回目の核実験を強行したことで、ある人は北朝鮮を制裁し援助を断ち切るよう呼びかけている。また、あえて中国人の庭先で核実験を行い中国人に害毒を及ぼしている。北朝鮮を制裁しない理由はないと言う人もいる”と書いています。しかし、中国当局は却って核実験による放射能漏れはなく、安全であると豪語しました。
したがって、北朝鮮の休戦協定の白紙化宣言は、同じように中国共産党当局の黙認があったのではと疑わざるを得ません。外界は引き続き観察を続けています。
新唐人テレビがお伝えしました。
http://www.ntdtv.com/xtr/gb/2013/03/07/atext858530.html (中国語)